隅野 貴裕・直伝!タイピングのコツ ~速く正確に打つ~
 毎パソ和文部門において、画面を見る頻度について(3)

隅野 貴裕(毎日パソコン入力コンクール 技術顧問)写真
 このコーナーでは、毎パソ歴代参加者の中で特に秀抜な成績を残す隅野 貴裕 直伝・タイピングのコツを特別公開します。

※「タイピング界の神」としてTV番組に取り上げられる他、 数々のメディアから取材を受ける、毎パソ技術顧問。


毎パソで全国大会を目指される方においては、初級編に加えてもう少し意識しても良い内容があります。
目視確認によるロスを低減するという目的に対し、「画面を見た際の打鍵の停止・速度低下を低減する」(中級編 1)ことと、「画面を見なくても(見る頻度を落としても)正確に打てる力をつける」の二つのアプローチがあります。

中級編 2 画面を見なくても正確に打てる力をつける

画面を見なくても課題文の通りに入力できているのであれば、画面など一切見なくてもよいはずです。画面を見るというのは、その自信がなく、正しく打つことができているかどうかを目で確認したいためです。

漢字変換のない文章での確認

例えば「ありがとうございました」のような変換のない文章は、画面を見ずとも正しく打つことはそう難しくないはずです。
また、タイピングに一定程度習熟してくると、こうした何の変哲もない文章の打鍵でミスをした場合には、感覚的にわかるようになってきます。
さらに、このミスは画面を見て確認する際にも見つけやすいのが特徴です。日本語として変な文章になっていることが多いためです(ありがおうtごじあました、等)。

漢字変換を含む文章での確認

同音異義語が非常に多い日本語では、よほど辞書を完璧に把握していない限りは、どうしても「本当に正しい漢字が変換できているかな?」と不安になります。これが「画面を見て確かめたい」という行動につながってしまいます。

漢字変換能力を鍛える

「ペンを作る」という文章があったとします。「ペン」はまず自動変換で出るとして、問題になるのは「作る」のほうですね。
この文章を、画面を見ることなく入力し変換して確定したときに、「ペンをつくる」のようにひらがなになってしまっていないか不安になることが考えられます。また、「造る」や「創る」といった別の漢字が出てくる可能性もあります。
こうした文章では、「ペンを」で一度確定し、続いて「つくる」と入力するのではなく、「作成」と入力・確定してバックスペースを押し、その後「る」を入力して確定する、といった一見遠回りともいえるやり方をしたほうが、結果的にはミスの確認や修正の手間が減り、速い入力方法になります。
慣れてくれば、「作為(sakui/sacui)」といったより短い単語で変換を誘導するようなバリエーションも増えてきます。

「髪を切る」では

極端なケースを挙げると、「髪を切る」でも「かみのけ」で変換してバックスペースを2回押し、「を」で一旦確定し、「せつだん」で変換してバックスペースを1回押し、その後「る」を入力して確定…といったやり方でも良いといえるほどです。
それほどまでに、ミスをしてそれを修正することや、またはミスをしていないか不安を抱えて確認するための手間をかけるほうが、時間(コスト)が掛かるものです。

画面を見ることを禁止する

漢字変換能力を伸ばすには、あえて画面を見ることを禁止することも一つの練習法です。画面を見ないまま、課題文の通りに漢字変換も含めて入力をしてみると、「これってちゃんと変換できてるかな?」と悩むところが出てくると思います。
また、うまく変換できていると思っていても意図しない漢字変換になっている個所も出てくると思います。これらを振り返り、一つ一つ「どうやったら画面を見ることなく確実に変換できるか」を考えるのも良い練習になります。
また、日頃から「読みの通りに漢字を入力するのではなく、確実に目的の漢字を変換できる(一意に特定できる)読みで入力する」ように心がけると、自然と身体で覚えていくことができ、変換するための読みのバリエーションも増えてきます。


まずは初級編の内容から、そして初級編がしっかり身についたなという方は中級編にも目を向け、より速く、より正確なタイピングを目指して研鑚されることを願っています。


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